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エッセンツィアのめざすもの

 

 

相手の音や声、その動きに対して、「優しさ」や「思いやり」(共感)を持ちたい、

例えば、自分の音や声、動きを、相手の音や声、動きに合わせてあげたい、

相手から合わせ易くなるようにしたい、など、

お互いに、できるだけ、そうありたい、

このレッスンでは、一人一人が、そのような意識を持てるようになること、を目指します。

 

相手に合わせてもらうのではなく、

自分から積極的に、相手に合わせに行こう、

自分自身を、相手から合わせ易くしよう、

そうできない所があるなら、できるようにしよう。

 

自分の音や声、動きに精一杯で、相手の音や声、動きに合わせられないのは仕方ない、

そんなこと気にしていられない、などという意識が、もしあるなら、

それは、徐々に、減らしていこう。

 

この私自身も、まだまだ、その過程にあり、

このレッスンを通して、より、そうしていこう、と思っています。

そのような積極的な意識から生み出されるハーモニーこそ、

味わい深いものとなるでしょう。

消極的な意識のまま、偶然的にできるハーモニーよりも、遥かに。

 

そこにいる小さな子どもが、音や声がまだ不安定でも、一所懸命歌っている歌声に、

自分が一緒に歌って、ハモる心地良さを何とかして味わわせてあげたいと思った時、

その子の音や声に何としてでもハモらせてあげよう、

ハモらせ易い音や声を出してあげよう、

動きを揃えてあげよう、とすると思います。

自分の音や声、動きの事情は、二の次にして。

「優しさ」や「思いやり」(共感)が発揮される瞬間ですし、

そうして生まれたハーモニーは、格別のものとなる、と思います。

 

好ましくなく思っている相手など、思いやりを示すことが、難しいこともあります。

思いやっても、相手が無反応なこともあります。

無反応なことにイライラすることもあります。

その結果、思いやりを向けても無駄だと感じ、

かえって、思いやりを無くしてしまうこともあります。

そうなってしまった自分を素直に認めたくなくて、あとに引けなくなり、

ますますそれがエスカレートして、

ハーモニーどころではなくなってしまうこともあります。

(私自身、かつては度々そうなりました)

 

それでも、できるだけ冷静になって、どうすれば、思いやりをお互いに示し合えるかを、

考えられるようになりたい、と思っています。

それをしないことは、ハーモニー作りを諦めることになってしまうからです。

 

音が取れたこと、絶対的な音の高さを保って狂わず歌えること、

テンポもリズムもきちんと刻めること、一人で上手に歌えること、

それらを自慢したい気持ちは分かります。

自身の音楽的凄さをアピールでき、周りもそれを褒めてくれますから、

気持ちいいですね。

 

ここエッセンツィアでは是非、相手の音や声、動きに、

自ら合わせにいったからハモった、

相手から合わせ易い音や声、動きに、自らそうしたからハモった、

そのようなことを、目指していきましょう。

自身の音楽的凄さは目立たず、合わせてもらえた人のほうが目立つこともありますが、

寧ろ、それこそが気持ちいい、と思えるほどに。

 

ともすると、それは、何か意識が低い、弱い、消極的、と捉えられる、かもしれません。

そう思われてしまうことが、怖いかもしれません。

その怖さゆえ、自分は意識が高い、強い、積極的、と言わんばかりに、

自身の音楽的凄さのアピールに、必死になってしまうこともあるでしょう。

 

しかし、低く、弱く、消極的と見られても構わない、

寧ろ、あえて、低く、弱く、消極的と見せる、

そういう、自らの低さ、弱さ、消極性、を自ら認めることができる意識を持てた時こそ、

ハーモニー作りに、より積極的になっていくように思います。

その時の意識こそ、本当の意味で、高く、強いもの、と言えるでしょう。

 

まずは、ご自身の意識が、この観点から見ると、どういうところにあるのだろう、

と、自ら問い掛け、それを知るところから、始めてみましょう。

そうすれば、自分がどういう意識を持てばハモれるのか、

自ずと見えてくるかと思います。

 

エッセンツィアにご参加くださる方は、皆様、そこをスタートとします。

練習を通して、ご自身の意識を見つめていきましょう。

それは、既に皆様の中にある意識を、自ら見つけ出すこと、とも言えます。

私は、できる限りそのサポートをさせていただくに過ぎません。

 

そうして見出された意識は、ハーモニーのみならず、日常の様々なことに、

目の前の些細な出来事から、世界の平和まで、

何かしら良い影響を与えるようになるだろう、と思います。

 

​ご参考

ひとりで歌うグレゴリオ聖歌26

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