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​キリスト教典礼音楽について

1.カトリック教会の典礼(総論)

2.典礼歴
a.待降節と降誕節
b.復活節の準備期 
・復活祭
c.復活節
・聖霊降臨祭
d.聖霊降臨後の時節
e.聖人祝日の部


3.聖務日課

4.ミサ

5.ミサの進行と聖歌
1.入祭唱Introitus
2.キリエKyrie
3.グローリアGloria
4.昇階唱Graduale
5.アレルヤ唱Alleluia
・続唱Sequentia
・詠唱Tractus
6.クレドCredo
7.奉納唱Offertorium
8.サンクトゥスSanctus
・ミサ典文Canon
・主の祈りPater noster
9.アニュス・デイAgnus Dei
10.聖体拝領唱Communio
・イテ・ミサ・エストIte missa est

2.典礼歴


 カトリック教会の典礼歴は,主に2種のグループに分けることができる.

その一つは “聖節<季節固有>の部Temporale”であり,もう一つは“聖人祝日(固有)の部Sanctorale“である. 聖節の部の中には,毎日曜日とキリストの生涯の間のさまざまな<時節>‥‥誕生,受難,死,復活等‥‥ を記念する祝日が含まれている.一方聖人祝日の部は教会が聖人として崇敬する人々を記念するもので, 多くの場合,各聖人の命日に祝われる.


 典礼歴は,12月25日のクリスマスに先行する4つの日曜日の中の第1日曜日,すなわち, 待降節第1の主日から始まる.待降節から出発する典礼歴は,大きく4つの時節に分けられる.

すなわち,(1)待降節と降誕節,(2)復活節の準備期,(3)復活節,(4)聖霊降臨後の時節である.

 

これらの各時節に,四季の斉日と呼ばれる特別の週間があって,その週の水,金,土曜日は, 初代教会の断食の風習にしたがって,節制に努める日と定められている.現行の暦では, 待降節の第3週,四旬節の第1週,聖霊降臨の週,9月の第3週が,四季の斉日とされている.

a.待降節と降誕節
 待降節の4つの主日のあと,キリストの誕生を祝う降誕祭(12月25日)になる.

その1週間後の1月1日に,イスラエル人の習慣に従った<主の割礼の祝日>,

1月6日に, 人間の中に神の子が出現したことを祝う<主の公現の祝日>が続き,

割礼の祝日と公現の祝日の 間にくる日曜日に,<イエズスの御名の祝日>,

そして,公現後第1の主日に<聖家族の祝日>が 祝われる.

御名の祝日と聖家族の祝日は,近代になって17世紀に導入されたものである.

b.復活節の準備期
 公現後の主日が数週間続いた後で,典礼歴はその第2期,復活節の時節に入る.

其の始まりは, <七旬節の主日>すなわち,復活祭に先行する9週間目の日曜日である.
 七旬節の後,一週間毎に,六旬節,五旬節,四旬節が続く.四旬節直前の水曜日は, 灰の水曜日といわれ,この日を期して,典礼歴は復活祭の前の長い節制の時期(四旬節)にはいる.

四旬節第1の主日,第2の主日,第3の主日,第4の主日の後,受難の主日と続き,

そして, 復活祭の一週間前の枝の主日になる.

枝の主日から復活祭までは,聖週間といわれ,この週は, 1年の典礼歴を通じて典礼的に最も重要な時期で,連日,荘厳な儀式が挙行される.

特に聖木曜日, 聖金曜日(死去の日),聖土曜日,復活祭の大祝日は最も重要である.

そして,復活祭後の1週間は, 復活後の月曜日,復活後の火曜日,復活後の水曜日‥‥として,毎日キリストの復活を喜び祝う特別な 日とされている.

・復活祭
 復活祭は,春分の日(3月21日)の後の満月の後の最初の日曜日とされる.

したがって, その年によってその日は移動するため,移動祝日と呼ばれる.

それゆえ七旬節は, 早くて1月18日,遅くて2月21日の間になり,それにつれて公現後の主日も,少ない年は2回, 多い年は6回になる.

c.復活節
 復活節は,復活後の土曜日から始まる.この翌日の日曜日(復活後第1の主日)は,白衣の主日といわれ, 新しく洗礼を受けた新信者を祝う日である.
 復活後の主日は,第2,第3,第4,第5と続き,復活後の第5の主日後の月,火,水曜日には 祈願祭として行列が行われる.


 祈願祭の翌日の木曜日,つまり聖書の記録による復活祭後40日目は,昇天の祝日である.

昇天の祝日直後の日曜日の後の1週間目,つまり復活祭後50日目が,<聖霊降臨の祝日>である.
 聖霊降臨後の1週間は,復活祭後の1週間と同様に,聖霊降臨後の月曜日,聖霊降臨後の火曜日

‥‥ として特別に祝い,典礼歴の第3期復活節は,この土曜日で終わる.

・聖霊降臨祭
 キリスト教の聖霊降臨祭は,収穫を感謝し,またシナイ山におけるモーゼの律法の成立を記念する ユダヤ教の五旬祭から由来したもので,教会と使徒たちに聖霊が下ったことを祝う.


d.聖霊降臨後の時節
 聖霊降臨後の第1の主日は,三位一体の主日ともいわれ,

この日から典礼歴の第4期: 聖霊降臨後の時節が始まる.

三位一体の主日後の木曜日に,キリストの聖体の祝日,

その翌週の金曜日に,イエズスの聖心の大祝日が祝われる.

三位一体の主日以後待降節までは, 聖霊降臨後の第2の主日,聖霊降臨後の第3の主日‥‥といわれ,

その数は少ない年は23,多い年は28で, その年の復活祭の日によって変動する.

こうして再び待降節になり,典礼歴の一年は終わるわけである.

e.聖人祝日の部
 聖母マリアに関する祝日(12月8日無原罪の御宿り・3月25日御告げの祝日・8月15日被昇天の祝日),

使徒聖ペテロ・聖パウロの祝日(6月29日),

大天使聖ミカエルの祝日(9月29日),

大聖テレジアの祝日(10月15日)などがある.

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